【飲食正社員】失敗しない求人の選び方と年収のリアルの画像

【飲食正社員】失敗しない求人の選び方と年収のリアル

飲食業界への転職を検討する際、「長時間労働が当たり前ではないか」「給与が見合わないのではないか」といった懸念を抱くことは珍しくありません。

しかし、現在の飲食業界は深刻な人手不足を背景に、求職者が有利な「売り手市場」となっており、労働環境の改善や給与水準の向上が急速に進んでいます。

重要なのは、数ある求人の中から、法令を遵守し、従業員のキャリア形成を大切にする企業を正しく見極めることです。

本記事では、社会保険労務士およびキャリアコンサルティングの知見に基づき、飲食業界の労働環境の実態と、後悔しない求人選びの具体的なチェックポイントを解説します。

この記事を読んでわかること
  • 統計データに基づく飲食業界の「リアルな年収・労働環境」と改善トレンド
  • 社会保険労務士の視点で解説する「ホワイト求人」を見極める法的チェックポイント
  • 未経験からキャリアアップするための戦略的な職種・企業の選び方と探し方

1.飲食業界の正社員は「きつい」?データで見る労働環境と年収のリアル

飲食業界の正社員は「きつい」?
データで見る労働環境と年収のリアル
離職率は高いが
「売り手市場」による
待遇改善が進行中
年収の実態と
キャリアアップによる
昇給モデル
「働き方改革」で進む
休日の増加と
残業削減

「飲食業界はブラックである」というイメージは根強く残っていますが、客観的なデータを見ると、業界全体が大きな過渡期にあることが分かります。

まずは、厚生労働省などの公的データに基づき、現状を正しく把握します。

離職率は高いが「売り手市場」による待遇改善が進行中

厚生労働省の調査によると、宿泊業・飲食サービス業の離職率は約26.8%と、全産業の中で最も高い水準にあります。

しかし、これは裏を返せば人材の流動性が高く、常に新たな人材が求められていることを意味します。

実際、「飲食物調理従事者」の有効求人倍率は約3倍(2.96倍など)の高水準で推移しており、全産業平均を大きく上回る「超・売り手市場」です。

企業側は人材確保のために、賃上げや労働条件の改善を余儀なくされており、求職者にとってはより良い条件を選びやすい環境が整いつつあります。

参考|厚生労働省:雇用動向調査

年収の実態とキャリアアップによる昇給モデル

「飲食は稼げない」という見方もありますが、役割や職種によって収入には大きな幅があります。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和5年)によれば、宿泊業・飲食サービス業の正社員の平均賃金は約31.8万円です。

さらに、キャリアを積み上げることで、以下のような収入アップが見込まれます。

店長・店長候補

月給30万円~35万円程度が目安であり、大手チェーンや繁盛店では年収500万~600万円を超えるケースも少なくありません。

専門職(ソムリエ等)

高度な専門資格と実務経験を持つ場合、平均年収が400万円を超えるデータもあり、技術が収入に直結しやすい傾向があります。

参考|厚生労働省:賃金構造基本統計調査

「働き方改革」で進む休日の増加と残業削減

長時間労働の是正も業界全体の課題として取り組まれています。

大手ファミリーレストランが24時間営業を廃止したり、1日100食限定とすることで残業ゼロを実現する店舗が登場したりするなど、ビジネスモデルそのものを見直す動きが活発です。

タブレットによる注文システムや配膳ロボットの導入も進んでおり、従業員の身体的負担を減らし、付加価値の高い接客や調理に集中できる環境作りが加速しています。

2.後悔しない「ホワイト求人」を見極める3つのチェックポイント

後悔しない「ホワイト求人」を
見極める3つのチェックポイント
CHECK 1
「固定残業代」
「基本給」の内訳を
確認する
CHECK 2
「完全週休2日制」
「週休2日制」の違いを
理解する
CHECK 3
福利厚生
評価制度
透明性

求人を探す際、給与の総額だけに目を奪われると、入社後のミスマッチにつながるリスクがあります。

求人票や雇用条件を見る際に必ず確認すべき法的なポイントを解説します。

1. 「固定残業代」と「基本給」の内訳を確認する

給与総額が高く見えても、その内訳を確認することが不可欠です。

飲食業界の求人では、あらかじめ一定時間の残業代を含んだ「固定残業代(みなし残業代)」が導入されているケースが多く見られます。

チェックすべき点は、求人票に「固定残業代が何時間分含まれているか」と「それを超えた場合の追加支給の有無」が明記されているかです。

例えば、月給30万円の中に45時間分の固定残業代が含まれている場合、基本給は低く設定されている可能性があります。

月45時間(36協定における原則的な上限時間)に近い設定は恒常的な残業を示唆している場合もあるため、注意深く確認しましょう。

2. 「完全週休2日制」と「週休2日制」の違いを理解する

休日の表記は非常に紛らわしいため、正確な理解が必要です。

完全週休2日制

毎週必ず2日の休みがある制度。ワークライフバランスを重視する場合に適しています。

週休2日制

月に1回以上、週2日の休みがある制度(他の週は1日休み等の場合も含む)。

飲食業界ではこちらが一般的であることも多いため、詳細な年間休日数(105日~120日など)を確認することが重要です。

3. 福利厚生と評価制度の透明性

社会保険(雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金)の完備は、正社員雇用であれば当然の義務です。

ホワイト企業を見極めるためには、プラスアルファの要素に着目します。

具体的には、「賞与(ボーナス)の支給実績」や「退職金制度の有無」、そして「独立支援制度」や「資格取得支援」などの教育体制が整っているかどうかです。

これらは企業が従業員を「使い捨ての労働力」ではなく「長期的に育成すべき資産」として捉えているかの試金石となります。

3.【キャリアの視点】未経験から目指せる3つのキャリアパス

キャリアの視点
未経験から目指せる
3つのキャリアパス
Path 01
マネジメントの
プロを目指す
店長・SV・本部職など
経営視点を磨く道
Path 02
技術を極める
スペシャリスト
料理長・ソムリエ・独立
手に職をつける道
Path 03
ライフスタイルに
合わせた働き方
地域限定社員・短時間
生活との両立の道

飲食業界でのキャリアは、ホールやキッチンといった現場業務から始まりますが、その後の展開は多様です。

自身の志向(Will)に合わせて、適切なキャリアパスを描ける企業を選ぶことが重要です。

マネジメントのプロを目指す(店長・SV・本部職)

組織の中で昇進し、経営的な視点を身につけたい場合に適したルートです。

ステップ

一般社員 → 店長 → エリアマネージャー(SV) → 本部スタッフ(商品開発、人事など)。

求められるスキル

数値管理、人材育成、リーダーシップ。

企業選びの視点

店舗数が多いチェーン店や、明確な評価制度・キャリアパス制度を持つ企業が適しています。

技術を極めるスペシャリスト(料理長・ソムリエ・独立)

特定の技術や知識を深め、「手に職」をつけたい場合に適しています。

ステップ

見習い → 調理師/サービスマン → 料理長/シェフ/支配人 → 独立開業。

求められるスキル

高度な調理技術、商品知識、おもてなしの心。

企業選びの視点

マニュアルに頼らない個人店や専門店、資格取得支援が充実している企業が成長の場となります。

ライフスタイルに合わせた働き方(地域限定社員など)

転勤を避けたい、プライベートと両立したいというニーズに応える働き方です。

近年では、給与水準は調整されるものの、勤務地や労働時間を限定できる「地域限定正社員」や「短時間正社員」制度を導入する企業も増えています。

長く安定して働きたい場合に有効な選択肢です。

4.目的別・飲食正社員求人のおすすめ活用術

目的別・飲食正社員求人の
おすすめ活用術
状況に合わせた最適な探し方は?
High Class
ハイクラス・経験者向け

特化型エージェント
の活用

Potential
未経験・ポテンシャル

総合求人サイト
の活用

Local
地元志向・Uターン

地域密着型サイト
の活用

自身の目指すキャリアや現在のスキルレベルによって、利用すべき求人媒体やエージェントは異なります。

それぞれの特性を理解し、使い分けることが効率的な職探しの近道です。

ハイクラス・経験者向け:特化型エージェントの活用

すでに飲食業界での経験がある、または店長や料理長などの即戦力を目指す場合は、飲食業界に特化した転職エージェントや求人サイト(クックビズ、フーズラボ等)の活用が推奨されます。

専門のアドバイザーがつくことが多く、「イタリアン」「寿司」といった細かい業態や、「月給35万円以上」「オープニングスタッフ」といった詳細なこだわり条件でのマッチングが可能です。

未経験・ポテンシャル採用向け:総合求人サイトの活用

異業種からの転職や未経験者の場合は、リクナビNEXTやタウンワークなどの総合型求人サイトが情報収集に適しています。

「未経験歓迎」「研修制度充実」といった求人が豊富に掲載されています。

ただし、未経験歓迎の裏には「人手不足」の側面もあるため、前述したホワイト企業のチェックポイント(休日数や残業代規定)をより慎重に確認する必要があります。

地元志向・Uターン向け:地域密着型サイト

特定のエリアで働きたい場合は、その地域に特化した求人メディア(求人飲食店ドットコム、ジョブキタなど)が有効です。

大手サイトには載っていない、地元で愛される個人店や中小規模の優良店の求人が見つかることがあります。

5.正しい知識で「理想の職場」を選び取ろう

飲食業界は現在、求職者が企業を選ぶことができる有利な環境にあります。

しかし、後悔のない転職を実現するためには、求人票に書かれた情報を法的な視点で正しく読み解き、自身のキャリアプランと照らし合わせる作業が不可欠です。

気になる店舗があれば、客として実際に足を運び、スタッフの表情や店舗の清掃状況、忙しい時間帯の雰囲気などを観察することも、求人票以上に見極めに役立つ有効な手段です。

専門知識と現場感覚の両方を持って、自身が能力を最大限に発揮できる職場を選び取ってください。

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